2012年05月03日

『37歳で医者になった僕』 医者の役割とは?

「大丈夫よ。きっとそのうち慣れるから」

看護師長の相澤(真飛聖)に励まされる紺野先生は、
「患者さんが死ぬことに?」
う~んお医者さんってそういうことなんですかね。。。

このドラマの登場人物は、医者だけでも色んなタイプが居ますけど、
本当に色んな人間が存在するんだなって見せつけられ考えさせられます。
「悪人」を感じないせいか不愉快な気分にならないのがいい。
今のところ^^;


やっぱり一人は寂しいし、優しくして欲しい。
今回もそう思ってたところで最後にガツンとヤラれた感じでした。
上手く繋げて見せますわぁ。。。

児童館で手話の講師を始めたすず。
そこへアリバイト職員として入って来た林田聡史(阿部力)は、
事故で後遺症が残る右足を引きずって仕事をこなす。
その歩き方をマネをする児童2人を止めたすずに…

「手、塞がってると手話できないでしょ。
 このお姉さんはさ、何でそんなことをするの?って言ってたんだよ。
 相手の気持ち考えたことあんの?って。
 まぁ難しいことはいいからさ、バカにして笑うなら陰でコソコソやれよ。
 本人とか常識のある人の前でやるとさ、こんな風に怒られるから。
 本音と建て前、使い分けてけよ。
 分かったら外で遊んで来い」

子供にそう話す林田に衝撃を受けるすず。
私もビックリ。
こういう諭し方もあるんですねぇ。
「ダメでしょ」より効果的かも。


リストカット患者の吉野香織(岡野真也)の担当になった下田先生。
言うことを聞かない厄介な患者から逃げ出したい思いがつい言葉に…

「でも放っとくと悪化して腎不全になる可能性はあります。
 そうなってから困るの自分ですよ。
 それと、世の中には一生もののケガとか病気とか抱えてても
 治療しながら頑張ってる人が居るんです。
 そういう人の気持ち考えてみてください。
 仕事とか彼氏とか、そんなことで命粗末にできないっすから」

思わず言いたくなる気持ちも分かります。
でも、吉野さんも患者だってことを忘れちゃマズイですもんねぇ。
「そんなこと」の尺度も人それぞれで。。。

そんな吉野さんにハッキリ物申した沢村先生の言葉も、
視聴者の気持ちをスカッとさせてくれたものでした。
考えてみると、こういうバランスが取れてるのがいいのかもしれないですね。

「迷惑な女。
 病院出てどこで死のうとか考えてんでしょ今。」
「あんたに関係ないでしょ」
「関係ないですよ。あなたがこの病院を出て行ったら。
 だから今ここにいる間に言っときます。
 死ぬのはあなたの勝手だけど、だったら他人に迷惑かけないで下さい。
 住んでるとこマンションじゃない。
 ここであなたが自殺したら、持ち主に迷惑かかるの分かりますよね?
 電車に飛び込んだら他の客に迷惑だし、
 ビルから飛び降りたらそのビルと通行人に迷惑なんです。
 もちろん、この病院で死なれたら私たちが迷惑するんですよ。
 関係ない訳ないでしょ!
 人間なんて生きてるだけで他人と関わっちゃうように出来てんの。
 自殺するなら他人に迷惑かけない方法考えてからにして下さい。
 本当に迷惑なんで」

その通りなんです。ついでに…
健康な体を持ってるんなら全ての臓器提供をしてから逝ってって言いたい。
なんて考えたり出来たら死なないか。


元女優の羽山早苗(江波杏子)は末期の肝臓癌患者。
担当が紺野先生だと言うことで、また何かやらかすのかと思いきや、
穏やか~な関係のままでホッとしましたよ。

病床での江波さんもお綺麗ですけど、
元女優らしくヘアメイクをバッチリ決めて退院して行く姿は魅せましたね~。
ステキに年齢を重ねてる実年齢69歳です。
頑固な役のイメージが強いので、
今回は温かく見守ることができたのも良かったし、笑顔も良かった~。


どうして医者になったのか…
森下先生に訊く下田先生。

「俺、昔からそこそこ勉強できて、進路どうしようかって時に
 何となく医学部受けちゃったんすよ。
 医療もののドラマとか見て、人助け出来りゃいいかなって思って」
「人助けがしたいなら大丈夫だ。
 後はその中で自分が出来る役割を探せばいい。
 それに、俺も同じだしな。ハハ
 高校生ん時に見たドラマで医者になろうって決めたんだ。ハハ」

そのドラマって言うのが、
羽山早苗主演のドラマ『ミラクルドクター治子』だったところも上手いですね~。
シーズン7まであるらしい。
森下先生オススメなんて、見てみたい~(笑)


治療拒否して退院する吉野さんを追いかけて謝る下田先生。

「病院戻ってくれませんか?
 戻って治療受けて下さい。こないだ言ったこと謝ります。
 他の人のこととか関係ないのに、
 吉野さんが辛いの無視して余計なこと言っちゃって。
 何て言うか仕事のこととか彼氏のこととか、
 俺にはどうしようもないし全然力になれないから
 辛いままかもしんないっすけど。
 でも病気のことはどうにかしたいし、
 せっかくうちの病院に来て俺が担当になったから。
 だから吉野さんのことを助けたいんです。
 それが俺の。。。医者の役割だから。
 お願いします。ちゃんと治療受けてください」

吉野さんと心が通じ合うのを見ててジーンと来ちゃいました。
たとえ医者の役割でも、人として接してくれる気持ちは通じるもの。
誰も信用できなくなってしまった時は尚更、
手を差し伸べてくれる人の温かさが身に沁みる。

紺野先生の言葉にもなるほどです。。。

「何にだって正しい役割はあるんです。
 世の中には手首を切るために作られたカミソリなんてないですし、
 首を吊るために編まれたロープだってないんですよ」


ホスピスへ転院する羽山早苗を見送る紺野先生たち。

「来なくていいわよ、お見舞いなんて」
「行きます」
「玄関を出たら私に対するあなたの役割は終わりなの」
「でも僕だけじゃありませんから」

末期癌の羽山さんの言葉は、吉野さんの心に響いてました。

「吉野さんもお見舞いに行くって言っています」
「何でよ。私とあの子は」
「もう関わりました。吉野さんも僕も」
「羽山さんに関わったからホスピスにもお見舞いに行きます。
 それが僕の決めた、僕の役割です」
「そういうのを」
「自己満足ですよ」


エキストラ家族だったことを知った紺野に、羽山さんが言います。
「私は寂しいから雇ったんじゃないのよ。演じたいから雇ったの」と。
身内もなく仕事関係にも見舞いには来ないように言ってあると話す本心は…

「死ぬのが怖くなっちゃうでしょ。関わりの深い人が傍に居たら。
 素の自分なんて見せたくないもん。
 死ぬ寸前のギリギリまで一瞬の関わりしかない人の前で演じていたいの。
 それが。。。私の決めた役割だから」

女優と言う職業柄で見せた孤独な患者の気持ち。
そこを酌み取る紺野先生との繋がりも爽やかに見せてくれて良かったです。
研修医の失敗や、病院内のすったもんだに重点を置かれるのは耐え難いので。

生まれて来たからには、それぞれの役割がある。
医者だけじゃないですしね。
人と関わることで学びながら成長して行けるってもんです。
独りじゃ生きられないし、まず寂しいでしょう。寂しくないなんて強がりの嘘。
だからこそ羽山さんも、
演じることで寂しさや哀しみから救われようとしたんだと思えましたもん。

今までの医療ものとはちょっと違う空気を感じられるのがいい感じ^^

死ぬんだから、タバコもワインもいいじゃないって思うけど(笑)


    第3話 『37歳で医者になった僕』 良い医者とは?
    第5話 『37歳で医者になった僕』 医者と看護師の間には…


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『医者として僕はそこに線を引く』

内容
祐太(草なぎ剛)は、木島(甲本雅裕)を亡くし、立ち直れずにいた。
「そのうちに慣れる」と直美(真飛聖)は励ますのだが、
それは、、、、...
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