2011年04月20日

『マドンナ・ヴェルデ』 第1話

第三者で見てると、母親と娘の両方の気持ちが分かって複雑でした。
ただ、娘の理恵(国仲涼子)の生き方が母親とは違って見え、
4歳の時に父親を亡くしてから、どのように育って行ったのか気になりました。。。


「お母さん。お願いがあるの。私、赤ちゃんが出来たの」

娘の報告に喜ぶ母・みどり(松坂慶子)でしたが…
妊娠と同時に子宮頚がんが見つかり、
子宮と卵巣を赤ちゃんと共に摘出手術したと言う事後報告でした。

「どうして黙ってたの?そんな大事なこと。どうして」
「人は、生きてれば病気にだってなる。なったら治す。当たり前のことよ。
 それに、なってしまった事をくよくよするより、私、前を向きたいの」

夫婦の受精卵は冷凍保存してあると話す理恵。
「…だから。。。お母さんの子宮を借りたいの。
 お母さん、私の子を産んでくれない?私の赤ちゃん、産んで欲しいの」

お母さんにしかできないことだとか、
子宮は比較的年を取らない臓器だとか、
55歳ならまだ大丈夫だとか…
序盤から理恵が理論的に話すマシンガントークにちょっと呆れ目線。
母親は道具なのかって感じてしまうほど、理恵の感情が見えなくて。

不妊治療のスペシャリストとして高い手技を持ち、
理知的でドライに物事を割り切る冷静さから、
「クール・ウィッチ(冷徹な魔女)」の異名を持つと言う。。。
患者に肩入れしない冷静さを持つような女性をイメージさせてるせい?
理恵が講師を務めている大学の講義でも、
学生を前にして体外受精などについて語る姿は淡々として笑顔も見せない。

生命の誕生に感動する面を見せてはいましたが、感情の見せ方が冷酷で、
ヤダ~こんな産婦人科医って思ってしまったわ。

娘の体の心配をするのは親として当然ですが、
理恵が母親に対して冷たく感じるのは、親に心配かけないように話さない
のとは違うように思えて、自己中に見える背景には何があるんだろうと、
産婦人科医でもある理恵から少しでも人間らしさを探してました。。。

母親のみどりが一人暮らしする家。
理恵の部屋には今でもランドセルがそのまま置かれていて、
居間の壁には幼少期に描いた似顔絵が数枚貼ってあったり、
みどりが理恵を出産した当時の【命名 理恵】と書かれた命名書も、
ずっと貼ったまま過ごして来たことにちょっと違和感を感じながらも、
逆にどんな母娘関係なのか期待しながら見てました。
これは母親の方が娘に依存しているのだろうかって。。。

みどりが海辺で、幼少の頃の理恵を思い出しながら涙を流すシーン。
あんなに可愛くて無邪気だった娘…
そう思うとこちらもウルウルして来ちゃったんですけど、
みどりが理恵を抱きしめながら言ったセリフを思い出すと…

「お母さんのせいだね。ごめんね。健康な体に産んであげられなくて、ごめんね」
と泣いてたみどりに、
海辺で流したあの涙は、娘を不憫に思う気持ちだったのかもしれませんね。

母親の責任。。。
例えば、妊娠中に飲酒や喫煙をしたりと言った、
母親の不注意や不摂生が何らかの原因だったとしたら、理解できるかもとか。
まぁそんな母親なら反省も謝罪の気持ちも起こらないでしょうけども。

『美丘』でも、母親が「私のせい」だと言ってたのを思い出したんですけど、
その時にも同じように感じたんですよね。
私はそう思うかなぁって。。。

身代わりになってやりたいと思えば、子宮を貸すことも出来るんだろうか?
子供が産めない娘のために、代理出産をしてあげられるんだろうか?

これは、二人の娘を持つ私としては答えがスッとは出ませんでした。
娘たちが無事出産し、健康な赤ちゃんを生んでくれることを願うばかり。
こういう「当たり前」が当たり前じゃなく思えます。奇跡とも思えちゃう。
私自身、二人の子供に恵まれたことが…
あ、その前に結婚できたことも…
あ、ここまで無事に生きて来られたことも…
そう思い始めると、「普通」でいい。普通に感謝です。。。


この物語は、映画『ジーン・ワルツ』の続編なんですね。
原作の海堂尊さんは『チーム・バチスタ~』でもそうでしたね。
『ジェネラル・ルージュの凱旋』への続編。

映画版『ジーン・ワルツ』の理恵役が菅野美穂ちゃんだったことを、
当時の舞台挨拶で思い出しました。

ドラマ『バチスタ』の時も映画版と比べながら楽しんでたんですけど、
今回の配役でちょっと意外だと驚いたのが…
理恵の上司・清川吾郎(勝村政信)の存在。
理恵とは男女の仲になったことがあるらしいって!そんな関係?
映画版ではそんなところも見せてたんですかね?
理恵の夫選びも疑問符。まぁそういう夫婦関係もありなんでしょうけど。
理恵がどうしても「赤ちゃんが欲しい」理由が浅いせいかも。
この清川准教授…
腹腔鏡下手術の神の手と言われるほどに手術の腕も高く患者の信頼も厚い反面、
幾多の女性と浮名を流すプレイボーイなんですって~。
第1話での勝村さんからは想像できなかったですわぁ^^;
ちなみに映画版では田辺誠一さん…
想像できなくもない?(笑)

マリアクリニック院長・三枝茉莉亜(藤村志保)は肺がんの末期らしいですが、
『ジーン・ワルツ』で起きた、 妊婦の術中死により逮捕された産婦人科医の母親。
理恵の理解者のようなので、今後の代理出産をどう見守って行くのか期待。

マリアクリニックを29年間支えて来たと言う助産師の妙高みすず(柴田理恵)が、
代理母出産の秘密を知って、理恵に対してどう向き合うのかも見もの。


日本では認められていない代理母出産を引き受けたみどり。
ホルモン投与などで母体の受け入れ準備もOK。

いよいよ受精卵をみどりの子宮へ戻す手術の日。
それはマリアクリニック内で密かに行われ…
直前にみどりは理恵に言います。

「ただ一度のチャンスなのね。あなたと伸一郎さんの卵の」
「そう」
「だったら、卵は2つとも、お母さんにちょうだい」
「え?」
「2つとも移植するの。体外受精卵の着床率は、せいぜい30%のはずだわ」
「お母さん。。。」
「今しかないんでしょ?この機会を逃してはダメ!…」
「分かりました。
 ですが、もし万が一の場合は医師として、母体を最優先します」
「はい」

しかしこの決断が、この母娘を対立させることになろうとは。。。


凄いことが出来てしまう時代になりましたね~。思い出すのは…
向井亜紀さんの場合、自分たちの子なのに
代理母に産んで貰ったことで養子縁組しなければらず。
野田聖子さんの場合、自分の卵子ではなくても
その母体から産まれたことが法律上の母親と認められたり。

少年法や臓器移植法、今回の問題を見ても疑問に思う法の壁。
時代と共に改正されるべき法律も、簡単ではない歯痒さも感じます。

体外受精は日本で年間約20万件行われているとか。
7組に1組のカップルが不妊の悩みを抱えてるとか。
こういう問題を克服して行く先進医療技術に、
法がついて行けない状態なんですね。
そこで盾にされる、神への冒涜って何でしょう。
本当の倫理とは?
矛盾だらけの世の中で生きてるんだと改めて感じたり…

「赤ちゃんが欲しい」。。。
それが叶わない人は、そこで一縷の望みを持つことさえ許されない?
でもアメリカに行けば出来ますよってのもおかしな話で、
お金がない人は代理母も臓器移植も諦めなきゃいけない現実。
それこそ倫理以前に立ちはだかる問題もいっぱい。
私たちは平等ではない矛盾した世の中で、
妥協しながら楽しさや生き甲斐を見つけ、
自分に出来る範囲(器)の中で生きてるってことですかねぇ。。。

”命の重さ”ってどう計ればいい?

クレーン車が、登校中の小学生の列に突っ込み、6人が全員死亡した事故。
道交法では死刑は絶対にあり得ないですもんね。
一瞬にして奪われた子供たち…
親御さんの無念を思うと、運が悪かったでは片付けられないですよ。

そしてもう一つ、先日の判決に怒りと悔しさを見た事件。
1審の死刑から無期懲役と減刑された、名古屋闇サイト拉致殺人事件。
「被害者が一人であるため」と言う理由の一つも法の壁。
ご主人を亡くし、娘と二人暮しだった遺族(母親)の気持ちを思うと、
あの卑劣で残酷な犯行に、加害者側の命の重さなど考えられない非情な人間。

最近のニュースを見て色々と感じてたところだったので、
そんなこんなまで考えさせられてしまいましたわ。


理恵の夫・曽根崎伸一郎役の片桐仁さんは、
どうしても『SP』で井上たちに護衛されながらも憶える金庫番が忘れられず。
どうして片桐さんなんだろう。。。
世界的なゲーム理論の権威者と言う役どころで、
聡明だが物事を論理的に解釈して物事を語る一種の変人らしいので…
ある意味ビンゴ?ヾ(゚∇゚*)オイオイ
ロン毛もチャームポイントだったとか?(笑)
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