2011年07月02日

『JIN』最終回と初回シーンの謎

『JIN』の完結に喜びたいような、終わってしまって惜しいような…
まだ何か書き足りない(笑)
ってことで…

現代に戻って来た仁(大沢たかお)と野口(山本耕史)の二人を見て、
前作初回での二人の関係がどの程度だったのか見直したくなりました。

今回、非常階段でタバコを吸おうとした野口が、
仁に気づいて慌てて隠したのはどうしてなのか。。。
そんなどうでもいいことにも拘りたいの(u_u*)


初回の2時間スペシャルも長く感じなかった記憶が蘇ります。
前作『JIN』のスタートがつい最近のように思えますわぁ。

未来(みき)のモノローグから始まったんですねぇ。
今聞くと、深~い意味が込められてたことに感動する。。。

〈私たちは、当たり前だと思っている。
 思い立てば地球の裏側にでも行けることを。
 いつでも思いを伝えることが出来ることを。
 平凡だが、満ち足りた日々が続くであろうことを。
 闇を忘れてしまったような夜を。
 でももし、ある日突然、その全てを失ってしまったら。
 鳥のような自由を。満たされた生活を。
 明るい夜空を失ってしまったら、闇ばかりの夜に、
 たった一人、放り込まれてしまったら。
 あなたはそこで、光を見つけることができるだろうか。
 その光を掴もうとするだろうか。
 それとも、光なき世界に、光を与えようとするだろうか。
 あなたのその手で〉


病院に運ばれて来た男性。
金糸公園内で倒れている所を発見。
顔面を殴打され、内出血多数、右前額部から後頭部に裂傷あり。

不思議なのは、このケガの状態。
そう言えば、この運び込まれた血だらけの姿があったからこそ、
あの包帯男が仁ではないかと思い始めた時から、
どうしてあんなケガをしたのか、龍馬の身代わりで斬られるのかと心配したんです。
けどそんなケガのことも忘れて見入ってた完結編の最終回でした。。。

地層のように違う世界が無限にループする仕組み。
そう考えると、最初に運び込まれた謎の包帯男(仁)が生きた江戸時代では、
現代の仁が江戸で過ごして来たこととは少し違ってたのかもしれないですね。
殴られ、斬られる運命に?


謎の身元不明人の頭部手術をする仁先生。(自分なのに)
当たり前ですが、頭骸骨に穴を開けるのも電機でウィーン。
ギコギコと手で回すこともない。
江戸での手術を一緒に見て来たせいで、現代の便利さをありがたく思える。
そしてこうした器械もないのに、諦めずに人命救助して来た仁が凄いって。

ペニシリンもそうですけど、コロリの時に作った…
塩と砂糖を加えた経口輸液、ORS。
この作り方を知っても、便利で簡単なポカリスエットを買っちゃうと思うな~私。
きっと私が江戸へ行っても、何もできないかも…
白髪染めを作れる材料も見当がつかない。。。ってどうしても美容関係か(笑)

『タイムスクープハンター』(NHK・木曜夜10時)では、
昔の人たちの生活習慣や知恵などをリアルに見せてくれ、毎度感心します。
シャボン玉の材料もあったなんて!
【ムクロジの実から種を取って湯の中で潰し、松ヤニと砂糖と加える】
よく考えましたよ~。昔の人の知恵ってホント凄い!


でも、ドラマを通してこういう「作り出す」部分も見せたかったことなんですよね。
仁が江戸での風習や食生活、人情に触れる度に奮起してました。
便利だった世界から何もない世界へ行ってしまっても、
それを不便だと感じたり諦めたりしない、そこから前に踏み出す意欲と努力。
それも江戸の人達に対して決して上目線からではなく、
一緒に悩み苦しみ、アドバイスに勇気を貰うのは仁の方だったり。
あんなシーンこんなシーンが思い出されます。


緊急搬送の男性から、胎児型の脳腫瘍を見つけた時、軽い頭痛を感じた仁。
すでに仁の頭の中にはその腫瘍が存在し、
それは普通の腫瘍なのか、胎児型なのかはこの時点では分からないですね。
仁がそのまま現代に残ってたら…
やっぱり普通の良性腫瘍を杉田先生が取り除くことになってたんですかね。。。


優秀な外科医であり、仁の恋人だった友永未来(みき)。
3年のつき合いで結婚を目前に、未来の難しい脳腫瘍手術を執刀することに。

「これは患者の望みでもあるんですよ。
 この手術が成功すれば、これから何千人と言う人たちが希望を持つことが
 出来る。もし成功しなくても、その礎になれるなら本望だと、そう言ってました」

これは、脳にガンがあると仁友堂のみんなに話した仁が、
その体を医術のために役立てて欲しいと言ったあのシーンと同じだと思いました。

植物状態になってしまった未来(みき)。
それ以来、難しい手術は執刀しなくなってしまった仁。
その代わりに他の先生のために手術の数をこなし、夜勤を代わるようになった。

全く手術が出来ない人になってしまった訳ではなかったですね。
それで腕は鈍ってなかった?
特に医者として、人の命を救いたい気持ちは変わらないですね。
しかも野口に対しても、未来(みき)に話しかける仁も、変わらず優しい人でした。


「ここから見る夕日が一番キレイ」と病院の屋上で言った未来(みき)。

夕日も。。。ずっと繋がってました。
それは太古の昔からずっと変わらず、朝日が昇り夕日が沈んで明日は来る。。。
江戸で見た夕日も同じですが、いつも効果的に使われてましたね~。

完結編での咲の手紙にもありました。
〈この世で、一番美しい夕日を頂きましたことを思い出しました。
 もう名も、お顔も思い出せぬそのお方に、恋をしておりましたことを〉

あの夕日の見える丘を思い出すと、いいシーンばかりでしたわぁ。。。

未来(みき)の好きな言葉。
「神は、乗り越えられる試練しか与えない」
これを思い出して頑張ると言う仁。
江戸でもこの言葉に励まされました。

手術が成功したら、
一緒にここでビールを飲む約束をしたのに…

仁を見兼ねた野口は言います。
「失敗して傷つかない人間なんて居ないですよ。
 先生は卑怯です。先生のやり方は、
 自分の代わりに他人に傷ついて貰ってるようなもんじゃないですか」
「。。。その通り。。。俺みたいな医者になるなよな」

笑顔で野口に答える仁。
どちらかと言うと、野口の方が仁に対して強気な物言いなんですよね。
研修医の君は熱い(笑)


未来(みき)とのツーショット写真を仁に手渡したのは杉田(戸次重幸)でした。
「机の中から出て来た」と。
これが白衣のポケットに残り、未来(みらい)の変化を見るバロメーターに。


「先生、例の患者が部屋から居なくなりました」
野口から報告を受けた仁は探します。

非常階段から落ちて来た小瓶を拾うとポケットに。
このホスミシンを拾うシーンは完全に記憶になかったんですが、
ちゃんとしっかり映してました。
凄いな~、ここから完結編まで繋がって行くなんて。

そしてそちらへ向かって行くと、そこにはうずくまる包帯男が。
「大丈夫ですか。戻りましょう。まだ安静にしてないと危険です。…
 どうしてこれを?」
ホルマリン君(胎児様腫瘍)を見た仁を頭痛が襲う。

〈戻るぜよ。。。戻るぜよ。あん世界へ〉

このホルマリン君が龍馬の声を発してたんですね~。
当時は包帯男の声かと思ったので、
龍馬が現代へタイムスリップして来たのかと思っちゃいましたから。

ここで包帯男が、白衣の仁に声をかけることは出来なかったんですかね。

医療用バッグを抱え、階段落ちする仁。
ホルマリン君は…割れちゃったんですかね?
ビンが地面へ落ちる瞬間に江戸へタイムスリップしてしまったから分からない。

残された包帯男のその後が気になる。。。AだかBだかCの世界でどうしてる?
咲からの手紙は届かない訳ですよね?
この包帯男も咲を助けるために医療用品を持ち出そうとした訳で…
もしや龍馬を助けるためだったかもしれない?
それであのケガも納得出来たり。

でもここでホスミシンを落としてしまったので、
江戸にはホスミシンがない訳で、龍馬は亡くなったとしても、
咲は生き延びることは出来ないですよね。
こっちの咲は長生きしたからいいか。チガウカ

そしてこの包帯男も江戸へ戻ることはないし、ベンチで手紙を読むこともない。
あ~ややこしい地層型パラレルワールドに頭痛が(笑)


結局、野口がタバコを吸うシーンもなければ、仁が怖い存在でもなければ逆に、
弱気な仁に立ち直って欲しいと願う、熱き男な野口でしたわ。
じゃぁ何を慌てたんだろう。。。
せめて禁煙宣言でもしてくれてたらスッキリしたのに(笑)


最終回を終え、色々な方の感想も読ませて貰いました。
大満足だったと言う声が多かったことも嬉しかったです。
十分な辻褄合わせと伏線も繋がり、パラレルの説明も納得できるものでした。
山盛りの白米から、脚気へ。そこから安道奈津へ。
そしてセブン○レブンへ(笑)

あのシーンは?って疑問もロマンです。

温故知新ですね~。
便利な現代に生きながら、失ってしまったものは何なんだろうって考えさせられ、
それまで当たり前だったことが、突然当たり前じゃなくなった時、
改めて自分の弱さを知ることになるかもしれない。
そこから光を求めて強くなることができる力が、自分にはあるんだろうか。。。

仁先生が橘未来の手術に臨む自信に満ちた笑顔から、
江戸で生き、得た6年の記憶が刻まれてたことが伝わって来ましたもんね。
記憶が徐々に薄れて行こうとも、
仁先生の前向きな姿勢は変わらないと思える清々しいラストでしたわぁ。

江戸のみんな~、ありがとう(ノ゚ο゚)ノ

  
  【第1話~最終回記事】      【前作『JIN-仁-』記事】    


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この記事へのコメント
初めまして。
いつもレビューを楽しく拝見させていただいています。

私も最終話の後に「仁」を最初から見直しています。
2回目の方が深く泣けて泣けて・・

野口のタバコはあの非常階段が喫煙場所ではないから慌てたのかなと思って見てました。
病院の喫煙場所は少なくて、そこまで行くのが面倒だから非常階段に出たのかなと。

manaさんの読みごたえのあるレビューのおかげで、ドラマが2倍、3倍に楽しいです。
こんなにたくさん、書いて下さって、ありがとうございます。
Posted by かな at 2011年07月03日 01:13
見直そうかなぁ~と思ってたんですが、manaさんの記事を見て、
完全に頭の中が整理できました。Thank Youです!

病院は今喫煙できるところがありません。だから焦ったのかな
と思っていました。

頭の中は整理できたけど、原作もThe Endなんでしょうけど、
世界80ヶ国でヒットした仁。。。やっぱりシーズン3を作って欲しいっ。

あっ、錦糸公園は千葉の家の近くなんで、何か嬉しかったです。
それにあのあたりは東京大空襲のころたくさんの死者を出した
場所なんですよね。名古屋で言えば大曾根みたいに。
Posted by senchan at 2011年07月03日 09:25
★かなさん

こんにちは~。
いつも読んで下さってありがとうございます。

やっぱり最終回の後に、最初から見たくなりますよね~。
前作の咲も龍馬も「若いな~」って感じちゃいました。
子役の喜市っちゃんは尚更♪成長してます。

>野口のタバコはあの非常階段が喫煙場所ではないから
>慌てたのかなと思って見てました。
結局そういうことなんですかね。
野口のあの慌てぶりは、前作から見てなかった人には
思わせぶりに見えたようですしね。
初回に何らかのシーンがあると嬉しかったんですけどねぇ、
ちっくと残念に思うぜよぉ。

>こんなにたくさん、書いて下さって、ありがとうございます。
ぅわぁ、こんな褒められ方をするとは思いもよらず。
たくさん書いてしまう自分を戒めながら、
泣く泣く割愛しながらレビュー書いてます。
かなさん、励みになります。ありがとう(^o^)丿
Posted by manamana at 2011年07月03日 18:00
★senchan

思い出すでしょ?
私も見ながら、ついこの前見た感じですぐにそのシーンが蘇ったもん。

senchanも、ただの喫煙場所の問題だと思ったのね。
私の考えすぎでしたね。
山本君の演技が凄すぎるせいだわ。
内野さんの演技が凄過ぎて、見せ場だったご臨終シーンで引いてしまったように(笑)

スペシャルでいいから、また江戸のみんなに会いたいですよね~。

>あっ、錦糸公園は千葉の家の近くなんで、何か嬉しかったです。
>それにあのあたりは東京大空襲のころたくさんの死者を出した場所
地元が映るとテンション上がる~♪
死者をですか?そういうお話を聞くとまた、関係ないとは思えないですね。
多くの犠牲があって「今」があるんですもんねぇ。
このドラマには本当に色々と考えさせられました。

senchan、日曜日で見ることが出来て良かったね^^
Posted by manamana at 2011年07月03日 18:05
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