2012年06月06日
『37歳で医者になった僕』 医者も人間
「俺ら、人助けるために医者になったのに」
下田先生を苦しめるのは、伊達さんと関わり過ぎたこともあり、
純粋でもあるせい。
「助けてくれ。まだ死にたくないんだ」ってすがりついて泣かれたら、
何も出来ずに死なせてしまっただけではなく、
誤診だったと言う後悔もどうにも出来なくて、
退職する道を選ぶしかなくなっちゃいますかね。
そんな志を持って医者になったはずの佐伯教授も、
今回は苦しんでることが伺えました。
「勝ち負けで言えば、私はもう負けてるよ」と一人呟く佐伯教授。
学部長選挙は間違いなく当選ってところまで来たものの、この虚しさは何?
悪にはなり切れない、恩師伊達さんの言葉を忘れていないからだと思いたい。
医者になりたい。
その理由は皆同じ思いでしょう。
例え、出世や金儲けの目的があったとしても、
命を救う仕事を選ぶ覚悟はあったはず。
外来で佐伯教授が見落としたことの真実を知りたい研修医たち。
新見先生を問い詰める下田先生と紺野先生。
「何わかり切ったこと言ってんですか、紺野先生。
あの段階で患者に説明して何の意味があるって言うんですか。
そんなことより治療が先でしょ」
「でも結局助からなかったじゃないっすか」
「俺だって死なせたかった訳じゃねぇよ。
助けられるんだったら助けたいと思ってた。
でも、だからって俺は自分の立場を危うくなんかしたくない。
紺野先生みたいに患者のために身を削ろうとは思えないんですよ、俺は。
俺にだって俺の人生があるんですよ。
必死に勉強して、医学部入って。やっと医者になったんだよ。
上に睨まれたくない。出来れば出世したいと思うのが普通だろ」
「でも伊達さんは」
「もう死んだんだよ!あの人は!
死んだ患者に義理立てして自分の人生棒に振れって言うのかよ。
教えてくださいよ、紺野先生。
俺、そんなに間違ってますか?
俺みたいな考え方は、医者としてそんなにいけないことなんですか?
医者なんて。。。きれい事だけで続けて行けるかよ」
新見先生の本心を聞きながら、
彼もまた苦しんでるんだって思いに貰い泣きしそうになりましたよ。
斎藤工くん、迫真の演技でしたもん。
すずより病院の患者に一生懸命になってしまう紺野先生に沢村先生は…
「バカじゃないんですか!
すずさん放ったらかして病院に泊まり込むなんて」
「でも」
「伊達さんは担当でもない赤の他人です!
紺野先生は自分のために医者になったんでしょ?
なら何が一番大切かなんて迷わなくても分かるはずです」
「僕は」
「新見先生の言う通りですよ。
患者の命を預かってたとしても、
医者にだってそれぞれ自分の人生があるんです。
すずさんがここで望んでた普通は特別な普通なんです!
自分の作ったカレーを紺野先生が美味しいって言ってくれるような、
そういう特別な普通なんです!
それが、正しいかどうかなんて関係ありません。
今は、自分とすずさんのことだけ考えて下さい」
紺野先生を一喝する沢村先生の心は複雑~。
向かいの部屋からは、紺野先生が温める手作りカレーの匂いが…
レトルトカレーを温める沢村先生が切ないわぁ。
残りのカレーを冷凍保存することより、
沢村先生におすそ分けしようよ~。
真面目すぎると言うか、女心が読めないのが紺野先生の足りない部分(笑)
そんな真面目さが仕事でも目の上のたんこぶ紺野先生は、
佐伯教授に呼ばれると…
「どうもいろいろ誤解があるようなんでねぇ」
「伊達さんの件でしたら、僕は佐伯先生の外来時の誤診だと思っています」
「ほう。その根拠は?」
「伊達さんの症状は外来時から肺炎とは異なるサインを示していました。
早期に呼吸器内科に移して検査を受けていれば」
「肺真菌症は発見出来ただろうねぇ。
だが医師としての対応は、0点だ。
外来は患者の症状を聞き、基本的な検査を行なった上で、
最も可能性の高い疾患に有効的な治療を施す場所だ。
それで治れば解決、治らなければ入院。
疾患の正体を徹底的に暴くための場所じゃないんだよ」
「ならどうして効果のない治療を続けられたんですか?」
「経過には個人差があるからねぇ。
あぁ言ったことはまれなんだよ紺野先生。
多くの患者は今のシステムで病を治し、
我々医師に感謝しながら病院を去って行く」
「佐伯先生にミスはなかったと仰るんですか?」
「ないね。
強いて言うなら、厄介な病気を背負い込んだ患者が不運だったと言うことだ」
伊達さんの言葉を忘れずに向き合っていれば救えたと言う紺野先生に…
「人は、生きる時には生きるし、死ぬ時には死ぬ。
紺野先生、それは、君の婚約者も同じだ。
カルテを見せて貰ったが状態は良くないねぇ。
今からは他の病院を探すのも心身共に、さぞ負担だろう」
「それは 脅しってことですか?」
「ケーキは勧めないが、利口になることはお勧めするよ。
これ以上、今回の件には関わらないことだ。
医者も人間だからねぇ。
君は君自身と、君の大切な人のことだけを考えたほうがいい」
「。。。」
患者側の立場から見ても、
生きるも死ぬも出会いも全て、運命ですかね。
森下先生に、すずのことを確認する紺野先生。
「僕とすずのことを。。。」
「あぁ話したよ。佐伯教授に。
彼女のことを盾に君を黙らせるように提案もした」
「どうしてですか」
「俺は佐伯教授の後継者だからだ。
ここまで来て、邪魔をされちゃ困るんだ、紺野先生」
森下先生、お前もか。。。
大きな病院で、多くの患者と接しながら学ぶのは病気のことではなく、
人間関係や出世の道、どう生き抜いて行くかも大事なことで…
大病院を去る医師も大勢居たでしょうし、
逆に居心地の良い場所だと感じる医師も居るでしょうし。
家業を継ぐならまだしも、新たに開業医って道も大変だと思いますわ。
人は、生きる時には生きるし、死ぬ時には死ぬ。。。
最後はそう自分に言い聞かせないとやってられない仕事かもしれない。
助けられるばっかりじゃないし、誤診も見落としもあるだろうし。
そんなことがあってはいけないんだけれども、
医者も人間、神じゃない。
助かれば感謝されども当たり前で、亡くなればヤブ医者と責められる。
人の死に悲しんで落ち込んでばかり居られなくて、
そんな繰り返しの中で精神状態を保たなければならなくて、
正義が正義じゃなくて、
じゃぁ何で自分は医者やってんだって、
何のために医者になったのか見失いそうになる。。。
そんな回でした。
森下先生が医者になろうって決めたと言うドラマ、
『ミラクルドクター治子』を、今こそみんなで見たらいいのに。
第10話へ
応援ありがとうございます。
下田先生を苦しめるのは、伊達さんと関わり過ぎたこともあり、
純粋でもあるせい。
「助けてくれ。まだ死にたくないんだ」ってすがりついて泣かれたら、
何も出来ずに死なせてしまっただけではなく、
誤診だったと言う後悔もどうにも出来なくて、
退職する道を選ぶしかなくなっちゃいますかね。
そんな志を持って医者になったはずの佐伯教授も、
今回は苦しんでることが伺えました。
「勝ち負けで言えば、私はもう負けてるよ」と一人呟く佐伯教授。
学部長選挙は間違いなく当選ってところまで来たものの、この虚しさは何?
悪にはなり切れない、恩師伊達さんの言葉を忘れていないからだと思いたい。
医者になりたい。
その理由は皆同じ思いでしょう。
例え、出世や金儲けの目的があったとしても、
命を救う仕事を選ぶ覚悟はあったはず。
外来で佐伯教授が見落としたことの真実を知りたい研修医たち。
新見先生を問い詰める下田先生と紺野先生。
「何わかり切ったこと言ってんですか、紺野先生。
あの段階で患者に説明して何の意味があるって言うんですか。
そんなことより治療が先でしょ」
「でも結局助からなかったじゃないっすか」
「俺だって死なせたかった訳じゃねぇよ。
助けられるんだったら助けたいと思ってた。
でも、だからって俺は自分の立場を危うくなんかしたくない。
紺野先生みたいに患者のために身を削ろうとは思えないんですよ、俺は。
俺にだって俺の人生があるんですよ。
必死に勉強して、医学部入って。やっと医者になったんだよ。
上に睨まれたくない。出来れば出世したいと思うのが普通だろ」
「でも伊達さんは」
「もう死んだんだよ!あの人は!
死んだ患者に義理立てして自分の人生棒に振れって言うのかよ。
教えてくださいよ、紺野先生。
俺、そんなに間違ってますか?
俺みたいな考え方は、医者としてそんなにいけないことなんですか?
医者なんて。。。きれい事だけで続けて行けるかよ」
新見先生の本心を聞きながら、
彼もまた苦しんでるんだって思いに貰い泣きしそうになりましたよ。
斎藤工くん、迫真の演技でしたもん。
すずより病院の患者に一生懸命になってしまう紺野先生に沢村先生は…
「バカじゃないんですか!
すずさん放ったらかして病院に泊まり込むなんて」
「でも」
「伊達さんは担当でもない赤の他人です!
紺野先生は自分のために医者になったんでしょ?
なら何が一番大切かなんて迷わなくても分かるはずです」
「僕は」
「新見先生の言う通りですよ。
患者の命を預かってたとしても、
医者にだってそれぞれ自分の人生があるんです。
すずさんがここで望んでた普通は特別な普通なんです!
自分の作ったカレーを紺野先生が美味しいって言ってくれるような、
そういう特別な普通なんです!
それが、正しいかどうかなんて関係ありません。
今は、自分とすずさんのことだけ考えて下さい」
紺野先生を一喝する沢村先生の心は複雑~。
向かいの部屋からは、紺野先生が温める手作りカレーの匂いが…
レトルトカレーを温める沢村先生が切ないわぁ。
残りのカレーを冷凍保存することより、
沢村先生におすそ分けしようよ~。
真面目すぎると言うか、女心が読めないのが紺野先生の足りない部分(笑)
そんな真面目さが仕事でも目の上のたんこぶ紺野先生は、
佐伯教授に呼ばれると…
「どうもいろいろ誤解があるようなんでねぇ」
「伊達さんの件でしたら、僕は佐伯先生の外来時の誤診だと思っています」
「ほう。その根拠は?」
「伊達さんの症状は外来時から肺炎とは異なるサインを示していました。
早期に呼吸器内科に移して検査を受けていれば」
「肺真菌症は発見出来ただろうねぇ。
だが医師としての対応は、0点だ。
外来は患者の症状を聞き、基本的な検査を行なった上で、
最も可能性の高い疾患に有効的な治療を施す場所だ。
それで治れば解決、治らなければ入院。
疾患の正体を徹底的に暴くための場所じゃないんだよ」
「ならどうして効果のない治療を続けられたんですか?」
「経過には個人差があるからねぇ。
あぁ言ったことはまれなんだよ紺野先生。
多くの患者は今のシステムで病を治し、
我々医師に感謝しながら病院を去って行く」
「佐伯先生にミスはなかったと仰るんですか?」
「ないね。
強いて言うなら、厄介な病気を背負い込んだ患者が不運だったと言うことだ」
伊達さんの言葉を忘れずに向き合っていれば救えたと言う紺野先生に…
「人は、生きる時には生きるし、死ぬ時には死ぬ。
紺野先生、それは、君の婚約者も同じだ。
カルテを見せて貰ったが状態は良くないねぇ。
今からは他の病院を探すのも心身共に、さぞ負担だろう」
「それは 脅しってことですか?」
「ケーキは勧めないが、利口になることはお勧めするよ。
これ以上、今回の件には関わらないことだ。
医者も人間だからねぇ。
君は君自身と、君の大切な人のことだけを考えたほうがいい」
「。。。」
患者側の立場から見ても、
生きるも死ぬも出会いも全て、運命ですかね。
森下先生に、すずのことを確認する紺野先生。
「僕とすずのことを。。。」
「あぁ話したよ。佐伯教授に。
彼女のことを盾に君を黙らせるように提案もした」
「どうしてですか」
「俺は佐伯教授の後継者だからだ。
ここまで来て、邪魔をされちゃ困るんだ、紺野先生」
森下先生、お前もか。。。
大きな病院で、多くの患者と接しながら学ぶのは病気のことではなく、
人間関係や出世の道、どう生き抜いて行くかも大事なことで…
大病院を去る医師も大勢居たでしょうし、
逆に居心地の良い場所だと感じる医師も居るでしょうし。
家業を継ぐならまだしも、新たに開業医って道も大変だと思いますわ。
人は、生きる時には生きるし、死ぬ時には死ぬ。。。
最後はそう自分に言い聞かせないとやってられない仕事かもしれない。
助けられるばっかりじゃないし、誤診も見落としもあるだろうし。
そんなことがあってはいけないんだけれども、
医者も人間、神じゃない。
助かれば感謝されども当たり前で、亡くなればヤブ医者と責められる。
人の死に悲しんで落ち込んでばかり居られなくて、
そんな繰り返しの中で精神状態を保たなければならなくて、
正義が正義じゃなくて、
じゃぁ何で自分は医者やってんだって、
何のために医者になったのか見失いそうになる。。。
そんな回でした。
森下先生が医者になろうって決めたと言うドラマ、
『ミラクルドクター治子』を、今こそみんなで見たらいいのに。
第10話へ
応援ありがとうございます。
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37歳で医者になった僕~研修医純情物語~(第9話・6/5) 感想【ディレクターの目線blog@Seesaa】at 2012年06月06日 16:43
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下田が紺野化っ!?Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
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恋人葛城すず@ミムラが入院しているため、何もできない中、
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病院が隠蔽しようとしている...
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