美容師は見た…

　
　昨年ロードーショーされた『手紙』
　やっと観ることが出来ました。

　やっぱりこういうものには弱いです。


兄は弟の学費のために盗みに入った先の、女主人を誤って殺害してしまう。
兄と弟の手紙のやり取り。兄からは検閲印の押された手紙が届きます。
弟・直貴（山田孝之）は「殺人犯の弟」と言うレッテルを貼られ辛い日々を過ごして
いました。優秀なのに大学も諦め、工場では人とも関わらず、恋もせず…

直貴はお笑い芸人を目指すんですが、コンビを組む同級生役の尾上寛之君。
『パッチギ』で亡くなったチェドキ役でした！今回もそう、味のある良い役しますね。
『白夜行』でも山田君と共演してたようですが、憶えがないんですσ(^_^;

しかし山田君はこう言う、暗くて奥に秘めたような役がハマりますね。
まだ学生服着ちゃいますかぁ(笑)
勿論『ウォーターボーイズ』や『電車男』も上手くこなす俳優さんです。
『タイヨウのうた』でも沢尻エリカちゃんとは『セカチュー』な感じでした♡

そして兄・剛志（玉山鉄二）は、そんな直貴の苦しみなど知りません。

東野圭吾さんの小説『手紙』は読んでないのですが、そちらの方が二人の心の葛藤
なども伝わって来るような気がしました。玉鉄君じゃなくても良かったような…
どうも”兄”としてのインパクトが私にはピタリと来なかったんです。

殺人を犯した人より、その身内の方がどれだけ辛い思いをしているか…
最初はそう思って観てました。それがラストで逆転しました(/_;)

直貴が恋をしたのはお金持ちのお嬢様（吹石一恵）。
二人は引き裂かれるのことになるのですが、父親（風間杜夫）が言います。
「勿論、君に罪があるとは言わない。だが罪の無い人間をわずかばかりの金の為に
殺した男の、君は紛れもなく弟だ」と手切れ金を差し出しました。
「いつか君が人の子の父親になったら、今夜の私の理不尽な申し出を少しは分か
って貰えると思う」と言うと、直貴はそのお金を持って（承知して）出て行くのでした。
差別とは違う親心も痛いほど伝わりました。

そんな時でも兄からの手紙は「カキ氷を食いました。上手かった…」
「誰のせいで…」と怒りが抑えきれない直貴。

「兄貴が居る限り俺の人生はハズレ」と逃げてばかりの人生。
そんな直貴に「差別のない場所を探すんじゃない。君はここで生きて行くんだ」と
助言してくれたのは、現在勤務する家電量販店の会長（杉浦直樹）でした。
その会長に手紙を書いてくれたのも沢尻エリカ（由美子）だったのです。
「どんなに逃げようとあがいてもムダなんだよ」といつも励ましてくれていた由美子。

由美子と結婚しミキが生まれ、ミキも「人殺しの子供」と公園で差別されることに…
家族を守るために覚悟します。「兄貴元気ですか？これが最後の手紙です」

そして６年振りに、被害者の息子（吹越満）家族の所へ詫びに行く直貴。
そこで真実を知ることになります。兄・剛志からの最後の手紙…
ここで涙腺切れちゃいました。小田和正さんの「言葉にできない」はズルイわ(/_;)
塀の中にいる兄の辛さや、人の痛みを知る辛さ…
「恨む」も「許す｣も人の心がそうさせるんだと。

【罪を犯すとは、刑罰とは、真の更正とは何なのかを考えて書きました】東野圭吾