2012年03月08日

それでも、生きてゆくのよ

90代後半のSさん。
足腰は丈夫で、移動も軽やかでスムーズ。
80代の多くは、すぐに立てなかったりしますけど。

Sさんはいつもお嫁さんが連れて来て、支払いを済ませて先に帰ります。


   Sさん 「わし、お金持って来とらんだけど、嫁さん払ってったかね?」

    私  「はい、いただきました」

2、3分後。。。

   Sさん 「わし、お金持って来とらんだけど、嫁さん払ってったかね?」

    私  「はい、先に払ってもらってますよ」

   Sさん 「まぁ何でもすぐ忘れちゃうで。。。まぁあかんわぁ」

    私  「私でも忘れますよ。90過ぎても元気だからいいですよぉ」

   Sさん 「わし、お金持って来とらんだけど、嫁さん払ってったかね?」

    私  「ちゃんといただきましたよ」


ネタじゃないんです。
これがカット中に4、5回繰り返される会話。
それでも全く嫌ではないです。
快く何度でも返すことできます。

たまのことだから。
そして身内じゃないからでしょうね。
可愛いお婆ちゃんで、私たちには何の問題もないですもん。


『カーネーション』で、
糸子が母の千代に怒鳴りたくなる気持ちも察します。

「怒ったったらあきません。うちの母も、あぁでした。
 適当に話合わせといちゃったらえぇんです」

恵さんも偉いと思いますけど、同居の家族は大変ですわ。
何だかジーンと来ちゃって泣けたシーンでした。


年配のお客様とのつき合いも長い訳ですから、
そういう変化も多く目にして来ました。
介護する側の話も他人事ではなく勉強になります。

まず、食べても「ご飯まだ?」が始まり、
「お金が盗まれた」って嫁が泥棒扱いされ、
深夜の徘徊まで来て、息子(嫁から見て夫)が認めるって流れ。

息子って、母親の認知症が受け入れられないようですね。
義父もそうでした。
会社から帰って来た息子と、正気で会話するのも不思議。
義母は、昼間の様子との大違いに、
「私に意地悪してるのかと思える」って言ってましたわ。
真相は闇だけど(笑)ヾ(゚∇゚*)オイ


認知症の多くは、体の方が丈夫なので介護が大変で、
男性は叩いて来ると思いっきりの力が出るらしい。
(薬のせいで攻撃性が出たって話)


Sさんには100まで元気で…
なんて思うのは罪なことなんですかねぇ。

Sさんの息子さん(70代)、とうとう怒鳴ってしまったんですって。
家族の思いは別。
むやみなことは言えません。


大震災の時、津波にさらわれてしまった子供たち。
そして助けられたのは老人ホームの認知症患者たち。
しかも患者1人に2人の介護が必要って重症な…

命の重さって何。
それでも、生きてゆくのね。。。
考えちゃいましたよ。

ドナーカードみたいに生前に書いておいて、
認知症と宣告受けたらどうにかして貰えませんかね。
私ならそうして欲しい。
子供たちに迷惑かけたくないですもん。

「死んでホッとした」
なんて思われないうちに、召されたいわぁ。。。

その前にまだ「介護」という任務が待ち構えてますかね。

。。。修業だな。


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