2009年11月06日

『不毛地帯』 第4話

まさか柳葉さんがこんなに早く居なくなるとは。
川又(柳葉敏郎)が、夜分遅くに壹岐を訪ねたのが最期の別れになりました。
何だか嫌な予感はしたんですが、川又が死を選ぶとは。。。
よっぽど?それが軍人たる者の生きざま?

駅で妻に電話をしたり、列車の中から壹岐に敬礼する姿。
BGMでもそう感じさせたのは不思議でしたわぁ。音楽の使い方も流石です。

あの数枚のコピーのために…あれさえ抜いて貰えれば。
断固としてそれをさせなかった里井。
それが前回、里井に対する壹岐の態度で見せておいたのは上手かったです。

「常務。芦田さんに株券をお渡しになった件ですが、
 今後そのような場合には、私にご相談いただければと思います」
なんて、丁寧で上司を立ててるような話し方…
のつもりの壹岐なんですが、里井が面白くないから仕方ない。
これが壹岐の弱点と言うか、腹を割って話せるタイプじゃないと言うか(^_^;)
真面目すぎてスキがない。遊び(ゆとり)がないんですよね。
家族に対しても「心配ない。大丈夫だ」と言うだけでは、
妻や子供たちもたまったもんじゃありません。
この時代の男性はそれに近いものはあったんでしょうけども。

我慢し続けると、抑えていたものが爆発するのも尋常じゃない。
前回は妻に、そして今回は貝塚長官にキレる壹岐。実直ゆえに…

この貝塚を見てると、長いものには巻かれろタイプのお手本ですね。
そんな貝塚の目の上のたんこぶだった川又が居なくなってホッとしてる姿に、
腹立つわ~。。。


防衛庁から近畿商事へと流れた機密漏えい事件の中心人物として、
任意出頭を求められた壹岐。

久松は、自由党・三島幹事長(神山繁)の力を借りることに。。。
検察庁を抑える力があるんですね~。ちょちょいのちょいですわ。世の中銭や。
何も知らない平民は馬鹿みたい。上だけで回る政治は今も同じようなもの?

「あなたが入手したグラントの価格見積表は、川又空将補のものなんですよ」
取り調べで落ちるような壹岐ではありません。さすがソ連仕込み。
しかしこのままでは川又に迷惑がかかってしまう。。。

会社へ戻った壹岐が見たものは…

「常務、この書類をどうなさるのですか?」
「警視庁の捜査二課長から、書類提出の要請があった」
「それでこれを提出すると言うのですか?」
「やむを得ない。…」
「話が違うではないですか!
 私はその捜査二課長の事情聴取で同じことを言われましたが、
 防衛庁から流れた書類などないと突っぱねて来たのです」

久松長官にも相談し、出す書類を取捨選択すべきだと里井に申し出ますが、

「君は私に命令する気か。入社1年足らずで嘱託の身の君にとっては、
 近畿商事の立場よりも、政治家の以降の方が大切なんだろうなぁ」

近畿商事が書類を提出することによって、
ラッキードF104が国防会議で正式決定することも決まったと喜ぶ大門社長。

それを聞いた壹岐は、形式的な書類の提出だと察知し、
提出書類の取捨選択を自分に任せて欲しいと、大門に頼みますが、

「あかん。中抜きなんかしてみぃ、また貝塚が暴れ出すに決まっとるやないか」
と断固拒否。それでも食らいつく壹岐でしたが、社長命令は絶対でした。。。


近畿商事の罪に目を瞑れば、防衛次官に昇格させると貝塚に約束した三島。
幹事長には簡単なことなんですね~。もちろん、貝塚は簡単に落ちました。
そして「今回は壹岐正にやられたと言うことだ」と簡単に鮫島に通達。
こんな重いことをみんな簡単に通してしまうんですからね。銭の力で。。。


目の上のたんこぶ川又に、偉そうに話す形勢逆転の貝塚。
「防衛庁内で10名にしか渡っていない機密書類のコピーだ。
 これが近畿商事に漏れていた。一体誰の書類をコピーしたもんだと思う。
 中の消し跡に残ってる書き込みは、君の字だね」
部下を庇う気、全くなし。それどころか、してやったり顔の貝塚。
川又は、芦田に指示した覚えは全くないと否定するものの通るはずもなく。

「あなたのような人間が、
 防衛庁で官房長のポストに留まってること自体が、自衛隊の悲劇だ」
そう言い放つ川又に貝塚は、防衛部長の解任を言い渡し、川又は
機密漏えいの教唆と贈収賄の容疑で取り調べられることを伝えるのでした。


壹岐邸を訪れ、経緯を話す川又に壹岐は謝ります。

「グラントの価格見積表を入手するよう小出に指示したのは、この俺だ」
「それは、間違ってない」
「本当にすまない。川又をそこまで追い込むことになるとは」

近畿商事と三島幹事長の裏取り引きの話をする壹岐。
ラッキードが正式決定すれば、川又の夢の実現にも近づく…

「もう防衛庁に俺の居場所はない。防衛部長の後任も既に決まってる。
 あの貝塚が防衛庁を牛耳ってる以上、
 俺は自衛官として命をむしり取られたも同然だ」

考え直すように説得する壹岐でしたが、
左遷され理想を実現させるための幕僚長と言う地位も断たれたことで、
希望を失った川又には、生きる希望を失ったも同じことでした。
それでも生きなきゃ!って言いたいですけどね。。。

「俺の思いを分かってくれるのは貴様だけだ」
酒を交わす二人。。。

駅で川又を見送る壹岐に、
「今夜は久しぶりに上手い酒を酌み交わした。
 次期戦闘機がラッキードに決定されることを聞けて、良かった。じゃぁな」
「あぁ」
「ありがとう」と握手する川又。

笑顔で壹岐に敬礼する川又は何を思っていたでしょうね。。。(・・、)

自殺現場に残されたマフラーの端切れで、川又だと確認する壹岐の辛さ(・・、)

形式上、川又の位牌に手を合わせにやって来た貝塚に、
「貝塚官房長。近畿商事の壹岐と申します」
「君が壹岐君か。この度は何かと世話になったね。…
 川又君は事故の前、君の家に居たそうだが。どんな話をしていたんだね。
 何でも、自殺の線も考えられるような状況だったらしいじゃないか」
「貝塚官房長の方で、何かお心当たりでもあるのでしょうか」
「身内の恥をさらすのも何だが、川又君は機密漏えい教唆と贈収賄の疑いで
 取り調べを受けることになってたんだよ。…
 いつかは空爆を背負って立つであろう優秀な人物であったからねぇ。…
 何とか私の立場で公務死扱いとなるよう、取り計ろうかと考えてる。
「どうか、よろしくお願いいたします」
「うむ。分かってると思うが…妙なものが出て来ては困る」
「妙なもの」
「もし君が、遺書のようなものを預かっていたり、
 今後出て来るようなことがあったら処分してくれるだろう?」
ここで、長いものに巻かれてしまう大抵の人間は頷いて済ませるとこですけど…

「ここに何をしに来たのだー!」

壹岐は貝塚の胸ぐらを掴み押さえつけて怒鳴ります。
妻の佳子が止めなかったら首を絞めてたかもしれない勢い。
「失礼するよ」と退散するしかない貝塚。

何も聞かされない妻は、ただただ夫を信じ、耐え忍ぶしかないんですね~。
今なら考えられないですよ。耐え忍ぶのは夫の方だったりして(笑)


ラッキード決定に大門社長は、功労者の壹岐に部長のポストや給料アップなど、
何でも聞き入れると言います。

国のため、国民のために尽力し夢に後一歩だった川又の言葉を振り返る壹岐。
同じ夢に向かってると信じ、覚悟を決め航空機部へ入った壹岐でしたが、
同期の桜が散って逝き、
自分のして来たことは何だったのかと思い知らされ…
「川又、すまない」悔し涙の壹岐でした(・・、)


「どうや。君の希望、考えたか」
「社長。私は退職させていただきたいと思います」

〈国を守ると言う信念の下…
 そのために払った犠牲はあまりにも大きかった〉

これからが本当の壹岐の力の見せどころなんでしょうね。
泥水を飲まされたままでは終われません。


人気ブログランキングへいつもありがとうございます。

↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い

この記事へのトラックバックURL

http://manamanawatching.mediacat-blog.jp/t45015
この記事へのトラックバック
『俺が殺した』内容2次防FXを巡る、防衛庁の機密書類漏洩事件で壹岐正(唐沢寿明)は警視庁から任意出頭を求められ、警視庁捜査2課長の井上(藤木孝)による聴取が始まる。小出(...
不毛地帯 第四話 勝利の代償【レベル999のマニアな講義】at 2009年11月06日 18:21
ドラマはあくまでフィクションなのだが・・・ラッキードなんていう軍用機メーカーが登
私が殺した将軍(唐沢寿明)お母さんを泣かせるようなことはなさらないで(多部未華子)【キッドのブログinココログ】at 2009年11月06日 18:47
不毛地帯公式ガイドブック(上巻)第4話壹岐正は、防衛庁から近畿商事に流れた機密漏洩事件に関して、捜査当局から任意での出頭を求められる。壹岐は、防衛庁の第2次防FXをめぐり、...
「不毛地帯」第4話【日々“是”精進!】at 2009年11月06日 19:04
『俺が殺した』
不毛地帯 第4回 感想【ぐ〜たらにっき】at 2009年11月06日 19:49
◆柳葉敏郎さん(のつもり) 柳葉敏郎さんは、フジテレビ系列で毎週木曜よる10時から放送されているフジテレビ開局50周年記念ドラマ『不毛地帯』に川又伊佐雄 役で出演しています。昨日は...
不毛地帯 (柳葉敏郎さん)【yanajunのイラスト・まんが道】at 2009年11月06日 19:54
あらすじ 防衛庁から流れた機密漏えい事件に関して捜査当局から任意での出頭を求められた壹岐正(唐沢寿明)は何と問われようと近畿商事の関与を否定す
不毛地帯 第4話【青いblog】at 2009年11月06日 21:53
川又さん…。・゚・(ノД`)・゚・。 うえええん
なんで貝塚みたいな奴が要領良く出世して、本気で組織の向上を図ろうとしてた
川又さんがこんな目に・・・

壹岐としても、機密書類の件...
不毛地帯 第4話:俺が殺した【あるがまま・・・】at 2009年11月06日 22:43
このドラマ、視聴率は悪いみたいですけど、
わたしは好きです。
先週くらいから面白くなってきたーぜ(≧∇≦)
今週は鬱展開でした…orz

川又 ・゚・(つД`)・゚・

ラッキードに決まった...
不毛地帯 #4【なんでもあり〜な日記(カープ中心?)】at 2009年11月06日 22:55
軍人ってこんな風だったのかなぁ…ってことで、 不毛地帯みました。
不毛地帯 #4【ほどほどの人生】at 2009年11月06日 23:24
警察に任意の事情聴取を受ける壱岐。
不毛地帯 第4話【渡る世間は愚痴ばかり】at 2009年11月06日 23:27
原作 … 山崎豊子『不毛地帯』. 任意出頭を求められた壱岐は里井達也(岸部一徳)
不毛地帯 #04【昼寝の時間】at 2009年11月06日 23:58
 川又(柳葉敏郎)の自殺。 
 壹岐(唐沢寿明)はふたつの点で間違ってしまった。

★まずひとつめ。
 <日本の防衛のためにはラッキード社の戦闘機導入が必要>
 これが壹岐や川...
不毛地帯 第4話 山崎豊子作品の構図【平成エンタメ研究所】at 2009年11月07日 11:41
「不毛地帯」第4話は警視庁に捕まった壹岐だったが、既に数多くの証拠が揃っており壹岐は全てを否定するしかなかった。しかしその証拠が戦友の川又から流れた情報だと知って動揺する...
「不毛地帯」戦後からの復興第4話不正関与を拒否続けて潔白をし続けてラッキードに決まるもその代償は戦友の死だった・・・【オールマイティにコメンテート】at 2009年11月07日 18:59
壱岐は警察から任意出頭を求められ。
不毛地帯 第四話【多数に埋もれる日記】at 2009年11月07日 19:00
何となく川又の最期を予感させるような、列車の中からの敬礼。
・・・と思ってたら、やっぱりですか〜(・_・、)
秘密漏洩の責任をとった…と...
「不毛地帯」 第4話【ドラマ de りんりん】at 2009年11月07日 21:49
■不毛地帯原作……山崎豊子『不毛地帯』(新潮社刊)脚本……橋部敦子演出……澤田鎌作 / 平野眞 / 水田成英プロデュース……長部聡介 / 清水一幸http://wwwz.fujitv.co.jp/fumouchitai/index...
不毛地帯vol.4【ita-windの風速計】at 2009年11月08日 12:57
この記事へのコメント
mana様、こんばんは。

たとえばシビリアン・コントロールという美名があります。

日本が敗戦したのは
軍人が暴走したからで
文官が武官を統括することが
まぎれもなく正しいことである。

こういう主張がこめられていて
これに疑念を持つ人は少ない。

ところが・・・戦後から
現代に至る防衛省(防衛庁)の汚職というものは
ほとんどがこの文官の手によるものなのです。

彼らが手を汚さず
私腹をこやす腐れ役人であることは間違いありません。

しかし・・・まあ・・・
それでも日本は信じられぬような
平和を享受してきたので
よかったじゃん・・・とも言えるのですな。

そこに一石を投じる「不毛地帯」は
実は耳に痛い話です。
だから・・・まあ・・・人気がなくても
しょうがないとキッドは思うのでございます。

軍人がえばっている世の中は
さすがに遠慮したいのですが
命をはって働いている人を
讃えない世の中もどうかと思うキッドがここにいます。

どうしようもなく貧乏になっていく日本で
不満を爆発させて鬱憤をはらした後
さらに貧乏になっていることに気がついた人々が
その鬱憤をどこに持って行くのか・・・
老い先短いキッドはイッヒッヒと見守っております。
そういう人には不毛地帯のやるせなさは
永遠にわからないのではないかと危惧しつつ。
Posted by キッド at 2009年11月07日 18:23
★キッドさん

私は現在の官僚のあるべき姿を見て、
『官僚たちの夏』で、訳分からなくなりましたよ。

戦争ものを見る度に、一体誰の責任なんだと腹が立ち、
そういう肝心な所はいつも視聴者任せ。
お涙頂戴戦争ドラマの時代は過ぎたと思うんですけど。
そういう所をもっと明かして突いて欲しい。

『不毛地帯』は一般受けしないかもしれませんけど、
キッドさん同様に、妄想も働いて楽しんでますσ(^_^;
キッドさんの記事やレスも面白いですもん。
そこまで吐いていいのかってとこも好き(笑)

世の中、多くの矛盾もある訳ですよね。
お客様の中には本当に無責任に言い放つ方がいらっしゃるんですけど、
「ボンボン政治家に貧乏人の気持ちなんて分からん」
「こんな奴死刑にすればいいんだわ」
だからって、貧乏人に政治を任せればいいってもんでもなく、
だからって、自分が死刑のスイッチを押せるのかって。。。
何もできない私は、ただ笑顔で頷くのみ。

色んな人間が居るな~って…
そう感じながら、小さな幸せを感じて生きて行く私なの。


そうそう、シャブリさんに壹岐のモデルを聞いて、
瀬島龍三さんのシベリア抑留からの生の声を聞いて感動しました。
姿は老いても、「出来る男」健在でした。
これがあの壹岐なのか~って嬉しくなりました。
そういうことを一般視聴者に見せてくれる親切さがあると、
視聴率も伸びると思うんですけどね~。
え?興奮してるのは私だけですか?(^▽^;)

しかし、こうして生き証人が消えて行くのが
残念でやるせないですわ。
瀬島さん、95歳まで生かされる運命だったんですね~。
キッドさんも、長生きしてねん(^人^)
Posted by manamana at 2009年11月08日 16:02
上の画像に書かれている文字を入力して下さい