2009年08月10日

『リミット-刑事の現場2-』 最終回

「彼、そっくりなんだよね~。若い頃の梅さんに。
 正義感に溢れた自分に酔って、自分が正しい、
 何~んでも出来るって思い込んでる。…」

梅木の読み通り、黒川(ARATA)は自分が殺した
梅木の婚約者に似た茉莉亜を自分のものにしようとしていました。。。

初回を思い出すと…
梅木の憎しみに満ちた迫力のあった顔が今では穏やかになり、
罪を憎んで人を憎まずの正義感溢れる啓吾が、
今では冷静さを失い犯人への憎しみに発狂する姿に変貌。
人間の気持ちなんて簡単に変われるってことを見せてくれます。

梅木と啓吾は似ている…
5話しかないのに、1話からゆっくりとストーリーが進んでるように思い出され、
二人の接点を通り越して逆転現象を見せた終盤。
啓吾の気持ちが痛いほど分かるからこその、
梅木の表情がまたいいですね~。険しい表情だったあの頃。。。
「殺す」と言っていたあの頃と違うのは、啓吾に自分を見たからでしょう。

茉莉亜の元恋人をひき逃げした男・大石(モロ師岡)を探し出し、
彼女に引き会わせたのは黒川。

「どうして、どうして逃げたんですか、あの時。
 すぐに病院に連れてってくれたら助かったかもしれないのに」
「俺だって本当に助けたかったんだ。…
 勘弁してくれよー!罪償ったんだよ、こっちは。
 あの事故で女房は病気になって、子供は散々学校で虐められた。
 …これ以上どうしろって言うんだよー!
 何であんたにまで責められなきゃいけないんだ」

大石の言葉に黙ったまま涙を流す茉莉亜。

「分かったろ。こいつは所詮クズだ。世の中こんな奴ばっかりだ。
 どいつもこいつも自分勝手で人の痛みなんか分かろうとしない。…
 何でこんな奴が生きてて、あんたの恋人が死ななきゃいけないんだ?」
ってどの口が言う?って感じの黒川のセリフ。
みんな自分のことは分からない。

ところが、そんな大石の言葉に茉莉亜は気づいたんです。。。

「ごめんなさい。私、気がつきませんでした。
 あなたも同じくらい、もしかしたらそれ以上に苦しんでるのを、
 それなのにあなたを責めようとしました。
 そんなことしても誰も救われないのに。
 私はもう、あなたを憎むのをやめます。あなたを許します」

まぁ極端な話ではありますけれど…
この時、茉莉亜の名前の意味が分かった気がしました。さすがマリア様(^_^;)


「梅さん。茉莉亜に何かあったら、俺が黒川を殺しますから。
 黒川殺して、あんたも殺す」
啓吾の姿は18年前の梅木そのものです。
ちょっと前には「罪を憎んで人を憎まず」精神だった彼がです。

啓吾のように彼女を愛していたのかどうか、分からなくなっていた梅木。
ただ憎むことで生きて来たことに今更気づいたように。。。

「黒川を憎んだ、黒川を生んだ社会を憎んだ、
 俺の痛みを分からない奴らを憎んだ、
 自分のことしか考えない上司を憎んだ、
 警察と言う組織を憎んだ、そして。。。神様を憎んだ。…」


「啓吾、私やめたよ、過去に拘るの。…これからは未来だけ考えて生きて行きたい」
と電話の向こうの茉莉亜の言葉。
黒川は、18年前を茉莉亜で再現させると梅木に言います。
「愛なんて憎しみに勝てないってことを教えてやるよ」
人を殺すことで自分が勝って来たつもりで居るんですね。

18年前、梅木の婚約者が殺された場所…
黒川が住んでいた部屋だと分かった梅木は、啓吾とその場所へ向かいました。

黒川を取り押さえた梅木は拳銃を頭に突きつけ、
「悪いなぁ加藤。こいつは俺が殺すよ。…
 これでやっと望みが叶う。俺はもう生きて行く気力がないんだ」
「あんたの負けですよそれ。…
 あんたがそいつを殺したら、あんたはもう人間じゃなくなる。…
 あんた前に言ってましたよねぇ。…人間なんて終わってんですよ。
 こんな世界もうとっとと無くなっちゃえばいいんですよ。
 でもねぇ、俺は絶対諦めませんよ。
 憎しみじゃなくて愛を武器に戦って行きますよ。
 愛の力を信じて生きて行きますよ。…俺はあんたを絶対に見返してやる。
 あんた以上の刑事になってやるからな。悔しかったら
 俺に本当に出来るかどうか見届けてくださいよ。
 死なないで俺を見ててくださいよ!」

黒川の頭から拳銃を外す梅木。。。
「ともよ~!ともよ~!…
 生きてあなたを忘れはせん。生きてあなたを、愛しますから。ともよ~!」

涙で叫ぶ梅木に涙ですよ~(T_T)

連行される黒川は、立ち止まって一瞬、何を思ったのか。。。
そこもちゃんと見せますね~。でもセリフが無かったことも上手いですわぁ。
黒川は負けを認めたんだと思いたい。。。

「俺は、お前のことを馬鹿になんかしてない!」
そう啓吾に一言残した太宰(伊武雅刀)も良かったです。

辞表を出す梅木に、周囲の目は優しい眼差しに変わっています。
自分の生き方に迷いがあったと言う東野(杉本哲太)に、
「このままでいい。そんなことはとっくにみんな分かってた」
と梅木の言葉はみんなの心に沁みますわぁ。。。(・・、)

「梅さん。今度、どっか行かない?二人で」
「ラブホでも行くか。冗談だよ」
って筒井(若村麻由美)と梅木が可笑しかった。
筒井は梅木に対してそういう感情だったんですかぁ。
梅木の優しさを知ってますからね~。最後にこんなオマケがあるとは(笑)


   「どれだけ人を愛しても、
    それがいつの間にか、憎しみの塊になってるかもしれない」

   「多分、黒川はもう一人の俺たちだ。
    それでも何もしないよりはマシだ。無駄と分かっていても、
    諦めるよりも、人を愛する方がマシだ」


梅木に敬礼する啓吾に…
「加藤刑事の健闘を祈ります」と涙をグッと堪えた笑顔にまたヤラレ(・・、)
署を去って行く梅木でした。。。


梅木と啓吾の最後の会話が全てでしたね~。
人間の愛、汚さ、矛盾した世の中。
悲しみや憎しみに、いつ直面するか分からない。
それでも生きて行かなければならないんですよね。

所轄の仲間、そして黒川も、啓吾と梅木の言葉に何かを感じたはず。

未來君も頑張ってましたけど、やっぱり武田さんにはヤラレました。
憎しみの顔も、ニヤッと見せる笑顔も、涙を堪える姿も…
内容と共に本当に見応えがありました。
武田さん有りきのドラマだったと思います。
エンディングの「愛の灯」が、最終回を一層盛り上げてくれましたわぁ♪


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この記事へのコメント
いや~このドラマは最高でした。
>梅木と啓吾の最後の会話が全てでしたね~。
「人間は終わった」
ニュースや事件を聞くにつけ、誰もが思っていること、
じゃあ、どうやって生きていけばいいのか・・
人間が人間であり続けるにはどうすればいいのか・・・
それをきっちりと見せてくれましたよね。
最初は正義感に満ち溢れ、何の迷いもなかった啓吾は
梅木と対極の存在のようだったのですが、
それが啓吾と梅木が重なって、最後は梅木が啓吾を導いたような・・・
すごくおもしろい構造だったと思います。
>憎しみの顔も、ニヤッと見せる笑顔も、涙を堪える姿も…
内容と共に本当に見応えがありました。
うん、私も武田鉄矢は嫌いなんだけど、演技をする武田さんにはすごく惹き付けられる。
すごかったよねぇ・・・
森山君はよだれがちょっと気になったぞ(笑
でも、おもしろい俳優さんだと思うわ~
終わっちゃって残念だけど、土曜日ちょっと楽になるわ~
「華麗なるスパイ」ずっと放置しっぱなしだし~
Posted by きこり at 2009年08月10日 17:21
★きこりさん

遅くなってすみません!

このドラマは初回から引きつけられましたもんね~。
最後は何だか泣かせて貰っちゃったし、満足でした。思わず書いちゃったよ(笑)

>人間が人間であり続けるにはどうすればいいのか・・・
>それをきっちりと見せてくれましたよね。
うんうん。梅木と啓吾の立場を上手く重ね合わせながら…
そこが上手かったですよね~。
二人の表情が変化して行く対比も面白かった。
啓吾のコートが黒色に変化してたのも(^_^;)
きこりさん情報で楽しめました♪

人間って悪魔と天使が存在してるのかなって。
出会った人間によって人生が大きく変わるのも、
のりピーを見てても考えさせられちゃったし。。。

>うん、私も武田鉄矢は嫌いなんだけど、
>演技をする武田さんにはすごく惹き付けられる。
嫌いなんだ(* ̄m ̄)プッ
そんなきこりさんも惹きつけたあの迫力。見事でしたわ。

>森山君はよだれがちょっと気になったぞ(笑
私も~!何もそこでよだれ垂らさなくても。
『セカチュー』や『ウォーターボーイズ』を思い出すと、
ちょっと老けた…いや顔が変わったかなって感じは受けたぞ(笑)

>終わっちゃって残念だけど、土曜日ちょっと楽になるわ~
分かる分かる、この気持ち~。
『華麗なる~』もそこまでって感じだし?(^▽^;)
『オトメン』もながら見な私。。。
Posted by manamana at 2009年08月12日 16:25
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