2011年12月05日

『カーネーション』 玉枝の親心

毎朝欠かさず見ながらも、録画までして楽しみにしていた朝ドラ。
先週から見返すのをやめてました。
糸子の言動や行動に違和感が出始めたのは…

まず、次女・直子の子守りを押し付けてまで仕事をする勝手さ。
それは商売と言うより、自分の意地を通したいための必死さで。
全部売っちゃるって┐(´-`)┌

縫い子の昌子(玄覺悠子)に、儲けのことも考えるように諭されても聞く耳持たず。
挙句の果てには、夫の勝まで…

「縫い子が足らんのやったら増やせばえぇんや」

一見、いつものようにナイスアイデアが浮かんだように取れますけど、
これも自分の思いを何としても通す訳で、それが叶って来たのも勝のお陰。
本当に出来た夫で、糸子には持って来い、いやもったいないぐらいな人。

この勝との結婚も、自分で決めたことじゃない点がしっくり来ない糸子ですからね、
何でも自分が決めないと気が済まない、納得しない性分。

「もう帰るんけ!そんなに暇か。そんなに暇やったら直子の子守りさせたろか!」

勝の下で働く職人に噛み付きそうな勢いで吐いたこの言葉に、
ウケるどころか呆れてしまいました。

いつも泣いてる直子役の子役ちゃんが、
撮影でつねられてないかと心配してた『あさイチ』柳澤さんの言葉に、
私も同じこと考えてて笑った~。


自分が引き受けた仕事を、無理を言ってお願いした職人に、
感謝よりも先に出た自分本位な態度…

それもこれも、今回ラストでの見せ場のためだったんですねぇ。
やっぱり上手いんですねぇ。


昭和16年12月8日。日本が仕掛けた真珠湾攻撃。
太平洋戦争(大東亜戦争)が始まります。

その戦争に対しても、文句たれながらミシンを踏む糸子。
大日本国防婦人会の割烹着おばちゃんたちの言うことも、
腹の中ではオモロないと思うちょる。
ぶっさいくなモンペ。名前も気に食わん。。。
そんでも、着てみな分からんもんですなぁ。
「勉強なるわぁ」(笑)


戦争のせいで、自分がしたいことが出来なくなる怒りをぶつける糸子に、
今後は勝の戦死がどう影響して行くのかも見せどころでしょうね。


「手ぇも足も残ってるけどなぁ。。。もっと無くなったわ。心」

変わり果てた勘助を励ましたい糸子の気持ちは分かりますが…


今朝は、その後の『あさイチ』のテーマが「うつ病」でビックリ。
そう言う患者さんに「頑張れ」って言葉は不適切だってことも理解されてる時代。

うちのお店でも、自ら「うつ病で薬を飲んでる」ってお客様も居ますが、
普通に話されるので違和感は感じさせません。
でも親の介護で相当心が疲れてるなってことは痛いほど伝わる。

「頑張って」なんて軽々しく言えません。頑張って来てるんですから。
「倒れないでね」としか言いようがなく、本当に言動には気をつけてるつもり。。。

そんなことまで思い出しながら、
やっとこさで、少しずつでも、元気は出なくても、
饅頭屋の店番に戻ることができた勘助を、喫茶に誘う糸子を見てました。
しかも、良かれと思ってサエを呼んだことでエライことになってしもた!


「パーッと忘れて元気出さなあかん!」って励まし方をする人が居ますけど…
まさに糸子がそれで、うちのお姑さんもそう。
今までそのパワーでやり抜けて来ましたからねぇ。
周囲に反論出来る者など居らず。
それが自分の生き方として自信にも繋がって来てる。
だから悪いとは言いません。自分に対してはね。。。


『親切という名の おせっかい そっとしておく おもいやり』 
 
相田みつをさんの言葉が身に沁みて感じるシーンが、
もう一つ思い出されます。。。

勘助の母・玉枝(濱田マリ) が、
祝言の前日に髪結いに来た奈津に対して見せた思いやり。
泰蔵への秘めた恋心を知り、
散歩から帰って来た孫と嫁をまた散歩に行かせる。
そして店の看板を外すと、奈津を思い切り泣かせてやった玉枝。
その優しさに、もらい泣きしましたね~。

女手一つで二人の息子を育てて来た玉枝ですから、
苦労して来てる分、人の痛みも分かるすごいお母ちゃんです。


安岡家に野菜をお裾分けしがてら顔を出す糸子に、
玉枝の表情が気にはなってましたけど、
今まで見たこともない玉枝の姿に、誰よりも糸子自身が驚いたことでしょうね。

しかし今回の濱田マリさんはまた見事な演技で。圧巻でした。
私が溜めてたものを全部吐いてくれた気がした。。。

「勘助に何した?
 糸ちゃん、あんた勘助に何してくれたんや!
 さっき、2階から飛び降りようとしよったわ。
 やめてくれ!
 糸ちゃん。あんた金輪際、勘助に会わんといてんか!
 あんなぁ、糸ちゃん。
 世の中っちゅうのはなぁ、み~んながあんたみたいに強い訳ちゃうんや。
 あんたみたいに勝手ばっかしおる訳ちゃうんや。
 みんなもっと弱いんや。もっと負けてんや。
 上手いこと行かんと、悲しいて、自分が惨めなんも分かってる。
 そやけど、生きて行かないかんさかい、どないかこないかやっとんねん。
 あんたにそんな気持ち分かるか?
 商売も上手いこと行って、家族もみ~んな元気で、
 結構なこっちゃな!
 あんたにはなぁ、な~んも分からへんわ。。。。
 どないか働きに出られるようになったのに、
 ここまでうちらがどんだけ神経すり減らして来たか、
 あんたには想像もつけへんやろ。
 今の勘助に、あんたの図太さは毒や!
 頼むさかい、もううちには近づかんといて」

雨に打たれながら、涙で訴えた玉枝でした。
 

良かれと思ってしたことが裏目に出るって、
誰もが経験したことあるんではないでしょうかねぇ。

そう言うなんやかんやを感じさせる、
ホント上手に見せてくれるドラマですわぁ。

そして思う…
人の振り見て我が振り直せ。


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この記事へのコメント
始めまして~~
NHKの「プロフェッショナル」スマップから
見せてもらっています。

いつも目覚まし代わりにこのドラマをつけています。
だから、ラジオドラマのように聞いています。
ほとんど記憶に残らず・・・

今日は、濱田マリさんのセリフに度肝を抜かれました。
その通り!「とてもついて行けん・・」と見てましたから、
胸に響きすぎて・・・

改めて文字で読むと説得力あります~~
糸子の負けん気も体調のいい時は、大丈夫ですが・・・
ありがとうございます。
Posted by orugann at 2011年12月05日 22:52
★orugannさん

こんにちは。
コメントありがとうございます。

もしかして…
SMAPファンですか?
でない方が見てもあの『プロフェッショナル』は、彼らの「プロ」を感じたと思いますわぁ。

>いつも目覚まし代わりにこのドラマをつけています。
>だから、ラジオドラマのように聞いています。
それはまた勿体ない(笑)
このドラマ、セリフがない見せ場もたくさんあるので見逃せない。
お父ちゃんが店を閉める覚悟をし、看板を見つめるシーンにはヤラれました(・・、)

ここ最近の糸子はどうしちゃったんだろう…って見てたんですが、
今回のラストシーンに、なるほど~でした。

>糸子の負けん気も体調のいい時は、大丈夫ですが・・・
ちょっとしたことで、人間関係って崩れてしまうんですからねぇ。
相手の体調や考え方、その場面、言葉選び…
空気を読むことって大事ですね。

笑ったり泣いたりだけじゃなく、
繊細で奥深いところまで魅せてくれるドラマだと思います。
ぜひ、目でも追って欲しい(笑)
Posted by mana at 2011年12月07日 14:29
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