2017年09月13日

『三度目の殺人』 三度目の意味

途中、タイトルの意味を考えながら観てました。
是枝監督が言いたかったことは何なのか。
何が真実なのか…


【群盲象を評す】 wikiより
盲人達は、それぞれゾウの鼻や牙など
別々の一部分だけを触り、
その感想について語り合うと異なる意見が。
「あなた方は皆、正しい。
 あなた方の話が食い違っているのは、
 あなた方がゾウの異なる部分を
 触っているからです。ゾウは、
 あなた方の言う特徴を全て備えているのです」
と言う王の言葉で表した、
同じ真実でも表現が異なる場合もあることの教訓。

弁護士・摂津(吉田鋼太郎)が話題にするので、
ちょっと入れておくと(  ̄ノ∇ ̄)ナルホドネ

舞台挨拶で、
「目を合わせてくれないし、
 一言も口をきいてくれない」
”嫌なヤツ”発言をして笑わせた鋼太郎さん。
そんなことも頭を過りながら…
映画の中では決して目をそらさない福山雅治は、
人見知りなんだもの( ´∀`)人(´∀` )ワカルワカル

鋼太郎さんも満島真之介くんも、
良かった~♪
もちろん、役所さんじゃなきゃダメだった!


ネタバレもあります。










犯した罪の理由で、
その罪の重さが変わって来る…

殺したのは一人だからとか。
強盗目的と怨恨は違うとか。
殺すつもりはなかったとか。
精神異常者だったとか。

加害者がどう裁かれようが、
殺され損の被害者(遺族)に間違いない。
ただ今回はそれとも違う視点からでした。

冤罪があるのも当然だろうな~って。
『それでもボクはやってない』や、
『容疑者Xの献身』も過り…
誰かを守るための殺人?

「真実」って何なんだろう。。。
深く考えさせられました。
答えが出せないからなのか、
こういう作品が好き。


「誰を裁くのかは、誰が決めるんですか?」

終盤に来ての咲江(広瀬すず)の言葉が、
重森(福山雅治)と私たちの胸に刺さります。


「三度目の?」
ハッキリさせない終わらせ方に、
解説を読んで理解できた次第で…
怖いわ~。
三度目が一番怖いわ~。

凄い映画なのに、
金獅子賞受賞ならず残念でしたね。
こういうのヴェネチアではダメ?











この二人の対峙がスゴイ!

エリート弁護士であるが故の重森の
気持ちが変わって行く様子と、
なぜか供述がコロコロ変わって行く
殺人犯・三隅(役所広司)の表情、
二人のやり取りが見せ場。

重森にとって「真実」なんてどうでもいい。
どれだけ罪を軽くすればいいか、
それが自分の「仕事」だった。。。


福山さんが役所さんの演技を称賛してましたけど、
本当にスゴイな~って思わせる演技なんです。
多重人格なの?ってぐらいの顔を見せる。

だから最後まで真実が見えない。
まさに、
「本当のことは本人以外には分からない」

それを裁判で決めるって…

「本当はやってない」
なんて途中から言い出されても困ります。
公判の日程を変えるなんて、今更何~。
次の予定にも裁判員の都合上もよろしくないので
「このまま行きましょう」
って裏での打ち合わせは淡々と決定し、
命の重さより仕事の重さを優先する裁判官。

二度目の殺人となれば、
そんな奴だろうって
先入観で見てしまうのも人間だもの。

法廷は真実の追究より判決を出すのが先。
忙しいんだもの。

「被告人は、死刑」

三度目は…
お前なのか。




なぜ3人に返り血が?って惑わされる、
予告やポスター。

「三度目の意味」が、
ここにも含まれていました。

殺したいほど憎い父親を、
殺すか殺せないかで…
罪って何?

「普通って何ですか?」

咲江に問われ言葉に詰まる重森も印象的で、
序盤でならサッと答えてたに違いない。

同じ年頃の娘との関係でも見せてました。
ユカ(蒔田彩珠)の万引きで呼び出された重森は、
店長に名刺を差し出し、頭を下げてみたり。
「弁護士さんですかぁ」で見方が変わる世間の目。
世の中これで通って来た。

「人生は選別されてるんじゃないか」
三隅の言葉でも投げかけて見せる。










夫殺しの嘱託殺人だったのか。
証人尋問される妻・美津江(斉藤由貴)。
したのかしてないのかあやふやな問答に、
演技がどうしても被ってしまうあの話題…

一線を越えてないは通用しない、
『三度目の不倫』…
何てナイスなネーミング(゚∀゚ノノ"☆パチパチ
女優としてスゴイ人は凡人とは違うヾ(゚∇゚*)オイ

そして広瀬すずちゃんもスゴかった。
あの目で訴える表情が('▽'*)オーラ
恐るべし19歳の名演技!

名古屋市役所だと知りながら
裁判所のシーンを見てましたけど、
そこへ行かなきゃテンション上がらないもんですね~。


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